日本のお弁当の文化は、作る人から受け取る人への愛情の表れです。美しく詰められているほど、その愛情が深く伝わります。幼稚園から小学校のあいだは、親が早起きしてお子さんのお弁当を作ることがとても大切にされます。それが子どもへの愛情と心づかいを示すことになるからです。ですから、彩り豊かに美しく詰めることが重視されます。子どもが進んで食べたくなるからです。よく使われる野菜は、にんじん、ピーマン、トマトなど、色が鮮やかで栄養価の高いものです。中学・高校から大学になると学食で食事を買うようになり、家庭でお弁当を作らなくなることもあります。そこで今度は、若い女性が交際相手のためにお弁当を作り、家庭的な一面を見せる機会が生まれます。お弁当は愛情をよく表すものです。作るには早起きが必要だからです(夕方に作って冷蔵庫に入れておく家庭や、夕食の残りを詰める家庭もあります)。ですから、恋人からお弁当をもらうことは、男性にとって自慢できることでもあります。社会人になってからも、会社にお弁当を持っていくのはなかなか格好のよいことと見られています。作る人から受け取る人への愛情の表れであり、家庭的であることの証でもあるからです。お弁当は同僚に見せて自慢できるものであり、同時に作る人の気持ちを伝えるものでもあるのです。